ERのTips

ERから遠ざかり、1st touchをする立場から、呼ばれる立場になって4年が過ぎ、4月から再び救急の現場に出なければならない8年目外科医が、いかんせん古くなってしまった研修医時代の愛読書「ERの哲人」の代わりを求めて購入した。本書では冒頭に、『研修医2年間が終わるまでに知っておきたい知識を中心にまとめた』と書いてあるが、私の立場にとっては、エビデンスに基づいた解説が非常に勉強になるものだった。しかし、解説やポイントを説明する本であるために、救急室に持って入って、患者が搬送されてくる数分で確認するものではなく、机で読むものという側面が強いため、重要な事を短い言葉で詰め込んだERの哲人の代わりにはならなそうである。重要な図表や判断基準がiOSアプリにまとめられているという点で、一度目を通しておけば、アプリが現場で役立ちそうである。『救急専門医には当たり前なことが書いてある』とのことであるが、私のような、ずっと救急をやってきたわけではないが、ホットラインを持たなくてはいけなくなった立場の人間が勉強するにはちょうどよかった。連動アプリを導入して、ポケットには使い古したERの哲人を入れて救急室へ出ようと思う。買って読んで、損することはない。