新復活 ―医学の「常識」を超えた奇跡の力― (OR BOOKS)

この本は映画『世界から希望が消えたなら。』の（総裁による解説という）ガイドブック的な位置づけです。映画を鑑賞し、ご自身の健康回復を期待しての購入であれば、別冊の『心の指針Selection 2 病よ治れ』をお勧めします。こちらの本を購入されるなら、まず実際に本を手に取って、中身を確認してからが良いと思われます。なぜなら、１７３ページ中、実際の中身は１１７ページで、残りの５６ページは、総合本部が作成した付録＜総裁の足跡を年表形式にまとめたもの＞だからです。このような本の中身を【かさ増し】して販売する方法は、「公開霊言 スティーブ・ジョブズ 衝撃の復活」と同じく、読者の信頼を失う行為になることを理解していないのでしょうか。「公開霊言 スティーブ・ジョブズ 衝撃の復活」では、英語の霊言とその翻訳の日本語で構成されているページに加え、全く同じ内容で日本語のみのページを作り、本のページを２倍に【かさ増し】していました。今回の「新復活 ―医学の「常識」を超えた奇跡の力」では、同じ話を２回載せるというアコギな【かさ増し】ではないものの、『あとがきが、なぜ１１８ページ目にあるのだろう！？』と驚きました。本の内容は法話ではありますが、「平凡からの出発―独立する精神の軌跡（絶版後は「若き日のエル・カンターレ」）」で語られたような、総裁の人生を振り返るストーリーです。要約すると『今、死んでもいいように生きると、身体は強くなる』であり、ひと言であらわせば【不惜身命】で、映画と同じ内容です。この本の良さを挙げるなら、総裁ご自身が【正心法語】をどのように使われているかを知ることができますので、【正心法語】にどれほどの力があるのか、腑に落とすことができます。また、総裁がどれほど強い信念と使命感でもって、「自らの心を統御し、身体をコントロールする」かを、自らの人生で示されている点に頭が下がります。一方、本を読んでいて毎回気になることは、著者・職員紹介の【肩書】です。例えば、著者は「幸福の科学グループ創始者 兼 総裁」と記載されています。著者紹介は「幸福の科学 総裁」で充分です。P.68に記載される職員の方々を例に挙げれば、「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ チェアマン 兼 プリンシパル」や、「幸福の科学メディア文化事業局スター養成部・芸能系信仰教育担当局長 兼 HSU講師」。この本以外にも「〇〇 兼 △△ 兼 □□」というような、3つ兼務の肩書なども目にします。一般では考えられない長い肩書のオンパレードです。とにかく色々な肩書を付けて、立派に見せようという気持ちが感じられるのは、私だけでしょうか。。。一般的にいえば、肩書は長ければ長いほど、兼務が増えれば増えるほど、その組織・部門では部下が代わりに実務を全て代行し、その立派な肩書の者は＜お飾り＞であるというのが実情です。つまり、肩書を立派にすればするほど、「自分は、実務を部下にやらせるだけの、ただのお飾り名誉職に過ぎない」と、わざわざ自分からアピールしていることになります。第三者の目に「印籠を見せる水戸黄門のように『頭が高い。控えおろう』と、他人を平伏させることを目的にしている」と受け取られても、仕方がありません。正直、本の内容がどんなに良くても、他の方に勧める気が起きない最大の理由が、こうした世間の感覚から遊離した肩書の付け方と、それに伴って使用される過剰敬語の数々にあります。「大きく見せよう・立派に見せよう」という気持ちを捨てなければ、世の中の理解は得られにくいでしょう。「ページのかさ増しで、販売価格を引き上げる」と「（書籍内で述べられる肩書・付録が）少しでも、大きく見せよう・立派に見せよう」という姿勢に、疑問を感じることからレビューの点数を低くしましたが、この本で述べられているテーマの、真摯に努力し続ける人生の大切さは素晴らしいです。最後に、この本の出版に携わっている方々に申し上げたいこと、それは【虚飾を排せ】です。敬うという気持ちから、総裁や団体を少しでも持ち上げたい気持ちは理解しますが、敬う気持ちは感謝の心であらわした方が良いのではないでしょうか。肩書や活動内容について、持ち上げれば持ち上げるほど、自画自賛すればするほど、第三者の目には「裸の王様」と「虎の威を借る狐」に見えます。また、そこまで否定的に見ない人であっても、あたかも高級ブランド品で全身をキラキラと飾り立てる「成金」に捉えてしまいます。団体も活動内容も、真に大きく・幅広くなってきたからこそ、もっと和光同塵を意識し、表現や肩書はシンプルになるよう心がけ、謙虚さと徳の力でもって、世間を感化していただくことを切に願います。