阿修羅のごとく (文春文庫)

１９７９年、１９８０年にＮＨＫで放映されたドラマの脚本を 後に文庫化したもののようです。その当時、私はまだ学生で、テレビから流れる印象的なトルコ軍隊行進曲を耳にしながらも、当時はこのドラマを見る事はありませんでした。大人になって、向田邦子さんのファンになり、改めてその当時のドラマをYouTubeで見ました。綱子役の加藤治子さんの本妻と対峙する場面が良かった。巻子役の八千草薫さん、滝子役のいしだあゆみさん、咲子役の風吹ジュンさん、どの配役もピッタリで感動しました。四人の姉妹とその父母、それを取り巻く家族のお話です。昭和の女性像がそこにあり、当時の黒電話(ダイヤル式)が懐かしい、携帯電話のない時代。でもどの時代も女性は、秘めてしたたかであり続ける。今読んでも斬新で、新鮮な切り口に著者の才能を感じました。どの女性像にも共感でき、エールを送りたくなります。